コードの音を1本ずつ順番に弾いていく奏法を「アルペジオ」といいます。静かな曲や、歌を引き立てたい場面でよく使われます。ここでは、アルペジオの基本的な考え方と、最初に練習したいパターンを紹介します。
- 右手の指の呼び方
- 指と弦の割り当て
- 最初の練習パターン
- Cコードで試す、アルペジオの手順
- むずかしいときは、4音の形から
- きれいに弾くコツ
- ストロークとの違い
- 曲のなかでの使い方
- 練習の順番
- よくあるつまずき
- 初心者がよくやる失敗例と直し方
- 2つのコードをつなぐ手順
- 曲に取り入れるときの手順
- ピックで弾くアルペジオ
- コード別の基本パターン
- 3拍子のアルペジオ
- 右手の位置とフォーム
- 表現をつけるコツ
- 練習を始める前のチェックリスト
- 練習後の振り返り
- 1週間の練習プラン例
- よくある質問
- 最初に練習したい基本の形
- 音量をそろえる意識
- ストロークとの使い分け
- コードチェンジと組み合わせる練習
- つまずきやすい点と対策
- 音の大きさをそろえる練習のやり方
- 音を響かせる意識
- うまくいかない日の考え方
- 練習のスケジュール例
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右手の指の呼び方
アルペジオでは、右手の指をpima(ピー・アイ・エム・エー)の記号で表すことがあります。pは親指、iは人差し指、mは中指、aは薬指です。
指と弦の割り当て
- 親指(p):6弦〜4弦のいずれか(コードの根音にあたる低い音)
- 人差し指(i):3弦
- 中指(m):2弦
- 薬指(a):1弦
ピックで弾く方法もありますが、まずは指で弾いて、弦ごとの音の違いを感じてみるのもおすすめです。
最初の練習パターン
基本的な動きの一例は、親指で低い音を弾いたあと、人差し指(3弦)、中指(2弦)、薬指(1弦)の順に弾き、そのあと中指、人差し指と戻る、という流れです。これで8分音符6つ分のパターンになります。
- まずは、左手でCコードを押さえて、この動きをゆっくり繰り返す。
- 親指は、コードの根音の弦(Cなら5弦)を弾く。
- Em・Amなど、ほかのコードでも、根音の弦を確かめながら練習する。
Cコードで試す、アルペジオの手順
はじめての人は、押さえやすいCコードで、次の順番に進めてみましょう。Cコードの押さえ方に不安があるときは、ギター初心者が最初に覚えたい基本の8コードで確認できます。
- 左手でCコードを押さえます。6弦は鳴らさないので、5弦から1弦までの5本が鳴る形です。
- 右手を構えます。親指を5弦、人差し指を3弦、中指を2弦、薬指を1弦に、そっと置きます。
- 親指で5弦を弾きます。弾いたあとも、ほかの指は弦の近くに置いたままにします。
- 人差し指で3弦、中指で2弦、薬指で1弦の順に弾きます。
- 続けて、中指で2弦、人差し指で3弦と戻ります。ここまでで6つの音です。
- 「1、2、3、4、5、6」と声に出して数えながら、ゆっくり繰り返します。音の間隔がそろっているかを、耳で確かめましょう。
むずかしいときは、4音の形から
6音のパターンが難しいと感じたら、戻る動きを省いた4音の形から始めてみましょう。親指、人差し指、中指、薬指の順に弾いて、また親指に戻ります。1拍に1音ずつ、4拍で1周する形なので、数えやすく、右手の動きも覚えやすくなります。この形が安定してから、6音のパターンに進んでも遅くありません。
きれいに弾くコツ
- 指を大きく動かさず、弦の近くで小さく動かす。
- 弾くたびに、右手のフォームが崩れないようにする。
- メトロノームを遅めにして、音の長さと間隔をそろえる。
- 1音ずつ、はっきりと鳴っているかを確かめる。
慣れてきたら、コードチェンジを加えたり、パターンを変えたりして、曲に合わせた弾き方に広げていきましょう。
ストロークとの違い
ストロークは弦をまとめて弾くので、力強くにぎやかな響きになります。アルペジオは、1本ずつ弾くので、1つ1つの音の余韻が重なり、やさしくなめらかな響きになります。曲の雰囲気に合わせて、使い分けてみましょう。
曲のなかでの使い方
静かなイントロや、歌い出しの部分でアルペジオを使い、サビでストロークに切り替える、といった使い分けは、多くの曲で見られる方法です。
練習の順番
- 開放弦のまま、右手だけで基本パターンを繰り返す。
- 1つのコードを押さえて、同じパターンを弾く。
- 2つのコードを切り替えながら、パターンを続ける。
- 慣れたら、曲に合わせて弾いてみる。
よくあるつまずき
- 弦を間違える:慌てずに、1本ずつ弦を確認しながら、ゆっくり練習しましょう。
- 親指が止まってしまう:メトロノームに合わせて、親指のリズムを一定に保つ練習をしましょう。
- だんだん速くなる:遅めのテンポに戻して、一定の速さを意識しましょう。
初心者がよくやる失敗例と直し方
音がこもったり、ビビったりする
左手の押さえ方が原因のことが多くあります。指が寝て隣の弦に触れていないか、フレットの近くを押さえているかを確認しましょう。原因の探し方は、コードを押さえても音がビビる・鳴らないときの原因で紹介しています。
鳴らさない弦まで弾いてしまう
たとえばCコードで6弦を弾くと、低い音が混ざって響きが濁ります。弾く前に、親指が置かれている弦を目で見て確かめる習慣をつけましょう。
弾いたあとに指が弦から大きく離れる
指を大きく振り上げると、次の音が遅れ、リズムが乱れる原因になります。弾いたあとの指は、弦の近くにとどめて、動きを小さくします。
速く弾こうとして崩れる
速さを求めると、音の大きさや間隔がばらつきます。崩れたと感じたら、ゆっくりに戻しましょう。ゆっくり正確に弾けることが、あとで速く弾くための土台になります。
右手や肩に力が入る
力が入ると、指の動きが硬くなり、音も硬くなります。弾く前に肩を下ろして、手首をぶらぶらと振り、力を抜いてから構えましょう。
2つのコードをつなぐ手順
CとAmは、押さえる形が似ているので、切り替えの練習に向いているといわれます。次の順番で試してみてください。
- Cコードで、基本パターンを1周します。
- 右手を止めずに、左手をAmに替えます。親指は、Cの5弦からAmでも同じ5弦を弾きます。
- 間に合わないときは、替える瞬間だけ、右手を1拍休んで構いません。
- 慣れてきたら、休みを入れずに、続けて弾きます。
- 最後に、CとAmを交互に、2周ずつ繰り返します。
曲に取り入れるときの手順
- 曲のコード進行を、先に確認します。
- コードごとに、親指が弾く根音の弦を、メモしておきます。
- 右手のパターンは1種類に決めて、最初から最後まで同じ形で弾いてみます。
- 弾きにくい部分だけを取り出して、ゆっくり練習します。
- 全体を通して、テンポを少しずつ上げます。
ピックで弾くアルペジオ
アルペジオは、指だけでなく、ピックでも弾くことができます。ピックの場合は、弦を1本ずつ順番に弾いていきます。指弾きとは違った、はっきりした音になります。弾きやすい方法で、試してみてください。
コード別の基本パターン
アルペジオでは、まず親指で、そのコードの根音(中心になる音)の弦を弾くのが基本です。根音の弦は、コードによって異なります。
- C:5弦(3フレット)
- Am:5弦(開放弦)
- Em:6弦(開放弦)
- G:6弦(3フレット)
- D:4弦(開放弦)
たとえばCの場合は、5弦を親指で弾いたあと、3弦、2弦、1弦の順に弾いていきます。コードが変わるたびに、親指が弾く弦も変わる点を意識して、練習しましょう。
3拍子のアルペジオ
3拍子の曲では、1小節に3つの音を弾くパターンがよく使われます。親指で根音を弾いたあと、人差し指(3弦)、中指(2弦)と弾いていく動きです。1拍目に親指、2拍目と3拍目に残りの指を使うと、3拍子のゆったりした流れが生まれます。
右手の位置とフォーム
- 手首は、弦に対して自然な角度で、力を入れすぎず、ゆるく構える。
- 指は、弦に対して垂直に近い角度で当て、弾いたあとは、手のひら側へ軽く引く。
- 弾く指以外の指が、ほかの弦に触れてしまわないように注意する。
- 親指は、ほかの指より少し外側(低音弦側)に構えると、動かしやすい。
表現をつけるコツ
アルペジオは、すべての音を同じ強さで弾くと、単調に聞こえがちです。親指の根音を、ほかの音よりも少し強めに弾くと、リズムの土台が生まれます。また、歌のメロディが静かな部分では音量を抑え、盛り上がる部分では少し強く弾くなど、強弱をつけると、曲に表情が出ます。テンポは、慣れるまでゆっくりから始めて、少しずつ上げていきましょう。
練習を始める前のチェックリスト
- チューニングは合っているか。
- 左手でコードを押さえたとき、鳴らす弦がすべてきれいに鳴るか。
- 右手の指と弦の割り当て(p、i、m、a)を、言えるか。
- 肩と手首の力が抜けているか。
- テンポは、数えながら弾ける遅さになっているか。
練習後の振り返り
- すべての音が、ほぼ同じ大きさで鳴っていたか。
- 音の間隔が、そろっていたか。
- 弾き終わりに、肩や手首が疲れていなかったか。
- うまくいかなかった部分は、どこだったか。
うまくいかなかった部分を一言でメモしておくと、次の練習のテーマが決めやすくなります。
1週間の練習プラン例
- 最初の2日:左手でCやAmなどを押さえ、基本パターンをゆっくり繰り返す。
- 次の2日:EmやGなど、根音の弦が違うコードで、同じパターンを試す。
- その後の2日:2つのコードを切り替えながら、パターンを続ける。
- 最後の1日:好きな曲のコード進行に合わせて、アルペジオで弾いてみる。
よくある質問
爪が長くないと、指弾きはできませんか。
爪を伸ばして弾く人もいますが、伸ばさなくても弾くことはできます。音色や感触は変わるので、試しながら、自分に合う方法を探してみてください。
親指と人差し指がうまく動きません。
最初は、親指だけ、人差し指だけ、と、1本ずつ練習して、そのあとで組み合わせるとよいでしょう。メトロノームを遅めにして、1音ずつ確認してください。
ストロークと、どちらを先に覚えるべきですか。
どちらからでも構いません。ストロークはリズムの基本になるので、先に覚える人が多いようです。アルペジオは、ストロークに慣れてから、取り入れる方法もあります。
指弾きとピック弾きで、どちらがよいですか。
どちらにも良さがあります。曲の雰囲気や、自分の弾きやすさに合わせて、選んでください。
どのくらいのテンポから練習すればよいですか。
1音ずつ数えながら、余裕をもって弾けるテンポが目安です。遅すぎると感じるくらいで構いません。テンポの合わせ方は、メトロノームの使い方も参考にしてください。
最初に練習したい基本の形
最初は、6弦または5弦の低い音を親指で弾き、その後、3弦、2弦、1弦を順に弾いていく流れから始めると、取り組みやすくなります。1拍に1音ずつ、ゆっくり数えながら弾き、4拍で1周する形を、まず体に覚えさせます。
音量をそろえる意識
最初のうちは、親指の音だけが大きくなったり、指ごとに音量がばらついたりしがちです。まず、すべての音がほぼ同じ大きさで鳴ることを目標に、ゆっくりしたテンポで練習します。
ストロークとの使い分け
同じコード進行でも、ストロークで弾くと、力強く賑やかな印象になり、アルペジオで弾くと、静かでやわらかい印象になります。曲のなかで弾き方を切り替える工夫も考えられます。
コードチェンジと組み合わせる練習
アルペジオを覚えたら、2つのコードを交互に弾く練習に進みます。右手のパターンは変えずに、左手のコードだけを替えていくと、右手の動きが定着しやすくなります。
つまずきやすい点と対策
指がもつれてしまうときは、一度テンポを落として、右手だけで空の弦を使って練習してみましょう。左手を動かさずに、右手の動きだけに集中すると、指の順番が整理されます。また、力が入りすぎると音が硬くなるため、肩や手首の力を抜くことも意識してください。
音の大きさをそろえる練習のやり方
- 左手は何も押さえず、開放弦のまま構えます。
- 4音のパターンを、とてもゆっくり弾きます。
- 弾くたびに、どの音が大きいか、小さいかを聞き分けます。
- 大きすぎる音の指は力をゆるめ、小さすぎる音の指は、少しだけしっかり弾きます。
- 4拍ずつ、数周繰り返して、そろってきたかを確かめます。
音を響かせる意識
アルペジオは、弾いた音の余韻が重なることで、なめらかな響きになります。左手の指が早く浮いてしまうと、音が途切れてしまうので、1周するあいだはコードを押さえたままにしましょう。右手も、弾いたら次の音まで、音を伸ばすつもりで弾くと、やわらかい響きになります。
うまくいかない日の考え方
日によって、指の動きがよい日と、そうでない日があります。うまくいかない日は、練習量を減らして、一番やさしい形に戻りましょう。基本の形をていねいに弾くだけでも、十分な練習になります。
練習のスケジュール例
1日10分でも、毎日続けるほうが、週末にまとめて長時間練習するより効果が出やすいと言われています。最初の3分で右手の動きの確認、次の4分でコードを押さえての練習、最後の3分でテンポを少し上げて通す、といった流れが取り組みやすいでしょう。
