練習のときに、一定の速さで音を鳴らしてくれるのがメトロノームです。リズムが安定して弾けるようになるための、基本的な練習道具として、多くの人が使っています。ここでは、メトロノームの使い方、テンポの目安、リズム感を育てる練習のコツを紹介します。
- BPMとは
- メトロノームの種類
- 最初の使い方
- 拍子の種類
- メトロノームを使い始める手順
- 細かい音符を数える
- 8分音符を数えながら弾く手順
- テンポを上げるときの目安
- テンポを上げる手順
- コードチェンジの練習に使う
- メトロノームがないときは
- リズム感を育てる工夫
- 初心者がよくやる失敗と直し方
- メトロノームに慣れないとき
- 曲のテンポの調べ方
- 曲のテンポを合わせる手順
- ゆっくり練習する意味
- 練習の記録をつける
- よくある質問
- メトロノームを使った練習メニューの例
- 1週間の練習メニュー(目安)
- 裏拍の感覚をつかむ
- クリックなしで弾く練習
- テンポの目安
- テンポごとの使い分け(目安)
- メトロノームを使う時間の目安
- メトロノームを使うときのコツ
- 音がずれたときの戻り方
- 練習後のチェックリスト
- まとめ
- 次のステップ
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BPMとは
BPMは「Beats Per Minute」の略で、1分間に何拍あるかを表す数字です。たとえばBPM60は、1分間に60回(約1秒に1回)、BPM120は、1分間に120回(約0.5秒に1回)の拍が鳴る速さです。曲のテンポは作品によって大きく異なるので、練習したい曲のテンポを調べておくと便利です。
メトロノームの種類
メトロノームには、専用の機器のほか、スマートフォンのアプリなどもあります。テンポのほか、拍子や音の種類を設定できるものもあります。使いやすいものを選んで、練習のときに、いつでも使えるようにしておくと便利です。
最初の使い方
- 遅めのテンポ(たとえば60前後)に設定する。
- クリック音に合わせて、1拍ごとに、コードを1回ずつストロークする。
- 慣れてきたら、1拍に2回(ダウンとアップ)の8ビートへ広げる。
8ビートの動かし方は、ストロークの基本の記事にまとめています。
拍子の種類
曲には「拍子」があり、1小節に何拍あるかを表します。ポップスで最も多いのは4拍子で、1小節を「1・2・3・4」と数えます。ほかに、3拍子(「1・2・3」と数えるワルツなど)や、6/8拍子(1小節を6つの8分音符で数え、2つのまとまりで感じるリズム)があります。メトロノームで拍子を設定できる場合は、練習する曲の拍子に合わせると、感覚をつかみやすくなります。多くのメトロノームでは、1拍目だけ音を変える設定ができ、小節の頭を分かりやすくできます。用語に迷ったときは、ギター用語集も確認してみてください。
メトロノームを使い始める手順
- メトロノームを用意します。専用の機器でも、スマートフォンのアプリでも構いません。
- 拍子を、4拍子に設定します。設定できない場合は、そのままで大丈夫です。
- テンポを、遅め(たとえば60前後)に合わせます。
- 弾かずに、クリック音を聞きながら、足や手で拍を取ります。
- 拍に合わせて、「1・2・3・4」と声に出して数えます。
- 左手はコードを押さえず、弦に軽く触れた状態で、1拍に1回ずつダウンを弾きます。
- 安定したら、コードを1つ押さえて、同じ動きをくり返します。
細かい音符を数える
1拍をさらに細かく分けて数える方法があります。1拍を2つに分けた「8分音符」は、「1と 2と 3と 4と」と数えます。1拍を4つに分けた「16分音符」は、「1 e と a、2 e と a…」のように数えるのが一般的です。ストロークの練習では、まず8分音符で数えながら弾くとよいでしょう。口に出して数えると、リズムが安定しやすくなります。
8分音符を数えながら弾く手順
- テンポを遅めに合わせ、「1と 2と 3と 4と」と声に出して数えます。
- 数字のところで、クリックに合わせてダウンを弾きます。
- 「と」のところでは、手を上げる動き(アップ)を加えます。
- 慣れたら、弾く拍と空振りの拍を決めて、8ビートのパターンにします。
テンポを上げるときの目安
1つの練習が安定して弾けるようになってから、テンポを少しずつ上げるのが基本です。一度に大きく上げると、リズムや押さえ方が崩れやすいので、数BPMずつ上げていくとよいといわれます。うまく弾けなくなったら、テンポを下げて、もう一度確かめましょう。
テンポを上げる手順
- 今、無理なく弾けるテンポを確認します。
- メトロノームのテンポを、数BPMだけ上げます。
- 同じ練習を、数回くり返します。
- 安定して弾けたら、さらに少し上げます。
- 崩れたときは、前のテンポに戻して、もう一度確かめます。
コードチェンジの練習に使う
メトロノームを使うと、コードチェンジが間に合っているかも確認できます。たとえば、1小節ごとにコードを変える練習で、拍の頭までに指が間に合うかを、耳で確かめることができます。切り替えそのものを段階的に練習したいときは、コードチェンジの練習メニューもあわせて使えます。
メトロノームがないときは
手元にメトロノームがないときは、足で拍を取りながら弾いたり、当サイトのコード譜ページの機能を使ったりする方法があります。まずは、一定の速さで弾くことを意識するところから始めましょう。
リズム感を育てる工夫
- クリック音を「1拍目」ではなく「2拍目と4拍目」に感じて弾いてみる。
- 足で拍を取りながら弾く。
- 弾いている音と、クリック音がそろっているか、よく聞く。
初心者がよくやる失敗と直し方
- 失敗:最初から速いテンポに設定する。直し方:遅めのテンポから始めます。弾きたい曲が速いときも、曲のテンポの半分程度から始める方法があります。
- 失敗:自分の音ばかり聞いて、クリックを聞いていない。直し方:クリックの音に意識を向けて、自分の音が重なっているかを聞きます。クリックが小さいときは、音量を上げましょう。
- 失敗:ずれるたびに、最初からやり直す。直し方:止まらずに、次の1拍目で入り直します。流れを止めない練習になります。
- 失敗:テンポを一度に大きく上げる。直し方:数BPMずつ上げて、安定してから次に進みます。
- 失敗:クリックに合わせようとして、力が入る。直し方:肩や手首の力を抜いて、ゆっくり弾きます。足で拍を取ると、体全体でテンポを感じやすくなります。
メトロノームに慣れないとき
- クリックと自分の音がずれたら、止まらずに、次の拍から合わせ直す。
- クリックが聞こえにくいときは、音量を上げる、またはイヤホンを使う。
- 最初は、1小節だけ合わせることを目標にして、少しずつ長くする。
- 合わなくなったら、テンポを下げて、もう一度やり直す。
曲のテンポの調べ方
曲のテンポは、楽譜に「♩=120」のように書かれていることがあります。また、音楽配信サービスや、楽譜の解説にBPMが載っていることもあります。見つからない場合は、曲を聞きながら足で拍を取り、メトロノームのクリックと合わせて、おおよそのテンポを探す方法もあります。
曲のテンポを合わせる手順
- 楽譜や解説で、曲のBPMを探します。
- 見つからないときは、曲を聞きながら足で拍を取ります。
- メトロノームを動かして、足の拍とクリックが合うテンポを探します。
- おおよそ合ったテンポを、メモしておきます。
- 練習では、そのテンポより遅い数字から始めます。
ゆっくり練習する意味
ゆっくりしたテンポで練習すると、指の動きや音の鳴り方を、細かく確かめることができます。速く弾くことよりも、正確に弾けることを優先して、テンポは少しずつ上げていきましょう。急に速くすると、間違った動きが身についてしまうこともあるので、焦らないことが大切です。
練習の記録をつける
練習した内容とテンポをメモしておくと、少しずつ速く弾けるようになったことが確認でき、やる気にもつながります。メモには、日付、練習した内容、弾けたテンポを書いておくだけでも十分です。たとえば、次のような形でまとめると、見返しやすくなります。
- 日付
- 練習した内容(例:Emの4つ打ち)
- 弾けたテンポ
- 気づいたこと(例:切り替えで右手が止まった)
よくある質問
メトロノームに合わせると、かえって弾きにくくなります。
最初は誰でも難しく感じます。テンポをかなり遅くして、1つのコードを1拍ごとに弾くところから始めてみてください。
毎日どのくらい使えばよいですか。
決まった時間はありません。練習の最初の5〜10分を、メトロノームと一緒に弾く時間にするだけでも、効果があるといわれます。
速い曲は、どのテンポから始めればよいですか。
曲のテンポの半分程度から始めて、少しずつ近づけていく方法があります。
メトロノームは、アプリと専用の機器のどちらがよいですか。
どちらでも練習はできます。手元ですぐに使えて、操作に迷わないものを選ぶのが、続けやすい方法です。アプリは手軽に使え、機器は操作しやすいものが多い、といった違いがあるといわれます。
クリックの音が気になって、集中できません。
音色や音量を変えられるメトロノームなら、聞きやすい設定に変えてみましょう。また、拍をすべて鳴らさず、小節の頭だけに音を出せる設定があるものもあります。まずは自分に合った聞こえ方を探してください。
当サイトのコード譜ページにも、チューナーとメトロノームの機能があります。練習のときに、あわせて使ってみてください。
メトロノームを使った練習メニューの例
- テンポ60で、1拍ごとに、ダウンを1回弾く(4つ打ち)。
- テンポ60のまま、ダウンとアップの8ビートに広げる。
- テンポ70にして、同じ動きを繰り返す。
- テンポ80にして、コードを1つ押さえたまま、8ビートを弾く。
- 最後に、テンポを60に戻して、リラックスした状態で、もう一度弾く。
このように、段階的にテンポを変える練習を、5〜10分行うだけでも、リズムの安定に役立ちます。
1週間の練習メニュー(目安)
日数はあくまで目安です。自分のペースに合わせて、調整してください。
- 1〜2日目:テンポ60で、4つ打ちをする。弾きやすいコードを1つ選ぶ。選び方は、基本のコードの記事が参考になります。
- 3〜4日目:同じテンポで、8ビートに広げる。
- 5日目:2つのコードを切り替えながら、8ビートを続ける。
- 6日目:テンポを少しだけ上げて、同じ練習をする。
- 7日目:テンポを戻して、クリックなしで弾く練習を加える。
裏拍の感覚をつかむ
リズムが安定してきたら、メトロノームのクリックを、2拍目と4拍目に感じる練習を試してみましょう。多くのポップスでは、2拍目と4拍目に、スネアドラムなどの強い音が入ります。クリックが2拍目と4拍目に来ていると想像しながら弾くと、曲に近いノリが出しやすくなります。
クリックなしで弾く練習
メトロノームに合わせて弾くことに慣れたら、途中で音量を小さくしたり、数小節だけ止めたりして、クリックなしで弾いてみましょう。そのあとでクリックを戻したとき、ずれていないかを確認します。自分の中に、リズムの感覚が育っているかを確かめる練習になります。
テンポの目安
曲のテンポは、作品ごとに大きく異なりますが、おおまかな目安として、ゆったりしたバラードは60〜80、中くらいのテンポの曲は90〜110、軽快な曲は120〜140前後のものがよく見られます。あくまで一般的な目安なので、練習する曲のテンポは、必ず個別に確認しましょう。
テンポごとの使い分け(目安)
- 遅めのテンポ:押さえ方や、右手の動きを確かめる。
- 中くらいのテンポ:コードの切り替えを練習する。
- 曲のテンポに近い速さ:曲を通して弾く。
あくまで目安です。弾きにくいと感じたら、いつでもテンポを下げてください。
メトロノームを使う時間の目安
メトロノームは、長い時間ずっと使い続ける必要はありません。練習の一部、たとえば5分から10分程度を、メトロノームに合わせた時間にして、残りは自由に弾く、という使い方でも十分に効果があります。慣れてきたら、少しずつ時間を延ばしてみてください。
メトロノームを使うときのコツ
- 練習の前に、テンポと拍子を決めてから弾き始める。
- 静かな場所では、クリックの音量を上げすぎない。
- 1回の練習ごとに、目標のテンポを1つだけ決める。
- うまくいかない日は、テンポを下げて、気持ちよく終わる。
音がずれたときの戻り方
途中でメトロノームとずれたと感じたら、無理に追いつこうとせず、次の1拍目で入り直します。ずれた原因を考えるより、まずリズムに戻る感覚を身につけることが、上達への近道になります。
練習後のチェックリスト
- クリック音を聞きながら、弾けた。
- ずれたときに、止まらずに入り直せた。
- テンポを上げたとき、押さえ方や右手の動きが崩れなかった。
- 今日のテンポと練習内容を、メモした。
まとめ
メトロノームは、テンポを安定させるための、心強い練習相棒です。最初はゆっくりしたテンポから始めて、少しずつ慣れていってください。
次のステップ
メトロノームに合わせて弾けるようになったら、少しずつ曲の練習に移りましょう。指で弦を1本ずつ弾くアルペジオの練習にも、メトロノームは役立ちます。始め方は、アルペジオ入門の記事で紹介しています。クリックなしで弾く練習も、時々はさむと、自分のリズム感を確かめられます。
