オーディションでは、演奏のあとに、いくつか質問をされることがあります。「何を聞かれるのだろう」「うまく話せるだろうか」と、演奏の練習よりも不安になる人も少なくありません。
質問の内容や数は、主催者や審査の形式によって異なります。この記事では、事務所やレーベルのオーディションで、一般的に聞かれやすいテーマを整理します。そして、答えを考えるときの考え方を紹介します。ギタリストと、弾き語りの人の両方を想定しています。
ここで挙げる答え方は、あくまで考え方の例です。正解の言葉ではありません。丸暗記するのではなく、自分の言葉で考えるための材料として使ってください。
答える前に知っておきたい基本
質問をする側は、演奏の技術だけでなく、人柄や音楽の方向性、これから一緒に活動できそうかも知りたいと考えている場合があります。ただし、何を重視するかは主催者によって異なります。
答えを組み立てるときは、次の順番が使いやすいです。
- 結論を一言で答える。
- その理由を話す。
- 具体的な例を一つ添える。
- 必要に応じて、これからどうしたいかを話す。
長さは、一つの質問につき30秒から1分程度が目安です。長く話すより、短く分かりやすく話すほうが伝わります。質問されていないことまで話しすぎないようにしましょう。
事実と違うことを話さないのも大切です。経歴を大きく見せても、細かく聞かれると答えに困ります。書類に書いた内容と、話す内容がそろっているかも確認してください。書類については応募用プロフィールの書き方で説明しています。
自己紹介と経歴についての質問
最初に聞かれやすいのは、次のような質問です。
- 自己紹介をしてください。
- いつからギターを弾いていますか。
- ギターを始めたきっかけは何ですか。
- これまでに、どんな活動をしてきましたか。
自己紹介
名前、担当、特徴を一言ずつ話します。たとえば「名前です。担当はギターです。普段は弾き語りで、自作曲を中心に演奏しています」といった形です。30秒ほどにおさめると、聞き手も受け取りやすくなります。
始めたきっかけと、これまでの活動
きっかけは、短い一言で十分です。続いて、続けてきた期間、練習の習慣、ライブや動画投稿などの活動を、事実のまま話します。活動が少ないときは、続けていることや、最近挑戦していることを話すとよいでしょう。
音楽性と演奏についての質問
演奏を聴いたあとは、音楽の方向性や考え方を聞かれることがあります。
- どんな音楽をやりたいですか。
- 影響を受けた音楽は何ですか。
- 自分の強みと弱みは何ですか。
- 今日の演奏で、意識した点はありますか。
- 自作曲は作っていますか。
どんな音楽をやりたいか
ジャンルの名前だけでなく、どんな場面で、どんな人に聴いてほしいかまで考えておきます。ギタリストの場合は、リードやリズム、アレンジなど、得意な役割も伝えられるとよいでしょう。弾き語りの人は、歌とギターのバランスや、曲の作り方を話せると、音楽性が伝わります。
強みと弱み
強みは、具体的に話します。「リズムが安定している」「コードチェンジが滑らか」のような言い方です。弱みは、隠さずに伝え、どう改善しようとしているかを添えます。弱みに向き合っている姿勢も、伝わる情報のひとつです。
今日の演奏について
演奏の感想を聞かれることがあります。うまくいった点と、やりたかったことを短く話します。ミスがあった場合も、言い訳をせず、「この部分が課題です」と簡潔に伝えましょう。
将来と活動についての質問
事務所やレーベルの募集では、今後の活動に関する質問も増えます。
- 数年後に、どうなっていたいですか。
- なぜこのオーディションに応募したのですか。
- 活動に、どのくらい時間を使えますか。
- 学校や仕事との両立は、どう考えていますか。
- SNSや動画での発信は、していますか。
数年後の姿は、期間と中身を入れて答えます。大きな夢だけでなく、そこへ向かう最初の一歩も添えてください。
応募の理由は、募集要項を読み込んだうえで、自分の言葉で答えます。主催者が公式に出している情報から、共感した点を探すと、ほかの人と同じ答えになりにくくなります。
活動時間や両立についての質問には、現実的に答えましょう。「いつでも大丈夫です」と無理に答えると、あとで困ることがあります。今の生活の中で確保できる時間を、正直に伝えてください。
答えにくい質問や、想定外の質問へのかまえ方
用意していない質問が来ることも、あります。そのときは、次のように対応できます。
- 聞き取れなかったときは、聞き返してよい。
- 少し考える時間がほしいときは、「少し考えてもよいですか」と伝える。
- 分からないことは、分からないと言ったうえで、今の考えを話す。
- 言葉に詰まったら、結論だけでも先に伝える。
最後に「何か質問はありますか」と聞かれる場合もあります。活動の流れ、サポートの範囲、今後の日程など、知りたいことを一つか二つ準備しておきましょう。費用や契約について気になる点は、遠慮せずに確認して大丈夫です。確認したい内容は契約と費用の注意点にまとめています。
質問への答えを準備する手順
準備は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 聞かれそうな質問を、10個ほど書き出す。
- それぞれの答えを、箇条書きで3点以内にまとめる。
- 声に出して答え、時間を測る。
- スマートフォンで録音して、聞き返す。
- 家族や友人に、質問役をしてもらう。
答えの文章を、完全に書き上げすぎないことも大切です。台本のような話し方になってしまいます。キーワードだけを覚えておき、あとはその場の言葉でつなぐほうが、自然に聞こえます。
練習の日程は、演奏の練習と一緒に組み込んでおきましょう。オーディションまでの4週間の練習プランも参考にしてください。
よくある質問
緊張して頭が真っ白になったら、どうすればよいですか?
まず、ゆっくり息を吸って、吐きます。「少し緊張していますが」と、最初に一言添えても構いません。答えが整理できないときは、結論だけでも先に伝えましょう。緊張は多くの人が感じるもので、それだけで評価が下がるとは限りません。
経歴や実績が少ないと、不利になりますか?
何を重視するかは主催者によって異なるため、一概には言えません。実績の多さだけでなく、練習を続けていること、目標がはっきりしていること、人柄などを見る場合もあります。今ある事実を整理して、自分の言葉で話しましょう。
弾き語りとバンドのギタリストで、答え方は変わりますか?
基本の考え方は同じです。違いが出やすいのは、話す内容です。弾き語りの人は、歌詞や曲づくり、ひとりでの表現について話せると伝わりやすくなります。バンドのギタリストは、ほかの楽器との関係や、自分の役割、アレンジの考え方を話せるとよいでしょう。
未成年の場合に、注意することはありますか?
保護者の同意や同席が必要かどうかは、募集によって異なります。募集要項をよく読み、不明な点は事前に主催者へ確認してください。くわしくは未成年・10代がオーディションに応募するときのポイントをご覧ください。
まとめ
オーディションで聞かれやすい質問は、次の4つのテーマにまとめられます。
- 自己紹介と、これまでの経歴。
- 音楽性と、演奏についての考え。
- 将来の目標と、活動の仕方。
- 答えにくい質問への対応と、こちらからの質問。
どの質問にも、結論、理由、具体例の順で、短く答えるのが基本です。事実をそのまま話し、自分の言葉で伝えることを大切にしてください。掲載中のオーディション情報は、音サポ!のオーディション一覧で確認できます。
