オーディションの結果が不合格だったとき、落ち込むのは自然なことです。「自分には才能がないのでは」と考えてしまう人もいます。ただ、結果は演奏の出来だけで決まるわけではありません。この記事では、気持ちの整え方、振り返りの手順、次の挑戦につなげる方法を、順番に説明します。読み終えるころには、次に何をすればよいかが見えやすくなるはずです。
まず気持ちを整える
結果を受け取った直後は、無理に振り返らなくて構いません。数日おいて、気持ちが落ち着いてから始めましょう。食事と睡眠をしっかりとり、ギターに触らない日をつくっても大丈夫です。
不合格は、その募集に合わなかったことを示すだけで、あなたの音楽の価値を決めるものではありません。審査は、募集の方向性、募集枠の数、ほかの応募者との兼ね合いなど、さまざまな事情で決まります。審査の基準も主催者によって異なります。
振り返りの前に知っておきたいこと
オーディションは、演奏の上手さを競う場であると同時に、主催者が探している条件と応募者が合うかを見る場でもあります。たとえば、バンドの編成、ジャンル、活動の方向性などが合わなければ、演奏がよくても選ばれないことがあります。そのため、「落ちた」ことを、すぐに「実力が足りない」という意味に結びつけないことが大切です。
振り返りの手順
落ち着いたら、次の順番で振り返ります。ノートやスマホのメモに書き出すのがおすすめです。
- 事実を書き出す:応募した日、演奏した曲、提出したもの、準備にかけた期間、当日の様子を書きます。感想よりも事実を先に書きます。
- 演奏を聴き返す:提出した動画や、練習中の録音を、時間をおいて聴きます。聴く人になったつもりで、客観的に確かめます。
- 3つの視点に分ける:準備、演奏、書類や手続きの3つに分けて、気づいたことを整理します。
- うまくいった点も書く:反省だけでなく、できたことも残します。次の自信になります。
- 直す点を1〜3個に絞る:欲張って全部直そうとすると、続きません。
- 直す点ごとに、次の行動を1つ決める:たとえば「コードチェンジをゆっくりのテンポで毎日5分練習する」のように、具体的に書きます。
振り返りで陥りやすい思い込み
- 「全部だめだった」と考える:細かく見ると、できていた部分は必ずあります。良かった点と直す点を分けて書きましょう。
- ほかの人と比べすぎる:ほかの出場者の演奏を思い出して落ち込んでも、得られるものは多くありません。比べる相手は、過去の自分にします。
- 理由を一つに決めつける:不合格の原因は一つとは限りません。複数の要素が重なっている場合が多いと考えましょう。
- すぐにやり方を全部変える:曲も練習法も機材も一度に変えると、何が効果的だったのか分からなくなります。変えるのは一つずつにします。
3つの視点のチェックリスト
準備
- 募集要項の条件(持ち時間、提出形式、締切)を守れていたか
- 曲の選び方は、自分の得意なことに合っていたか
- 練習の期間と量は足りていたか
演奏
- 出だしが安定していたか
- テンポ、音程、コードチェンジに乱れがなかったか
- 歌とギターのバランスは取れていたか
- 最後まで集中が続いたか
書類や手続き
- プロフィールは分かりやすかったか。書き方は応募用プロフィールの書き方で確認できます。
- 動画や音源の音量、映像の明るさに問題はなかったか。録り方はオーディションに出すギター演奏動画・デモ音源の録り方を参考にしてください。
- 提出の方法や期限に漏れはなかったか
次につなげる行動計画
振り返りが終わったら、小さな目標を立てて動き始めます。
- 練習の計画を立てる:期間を区切り、直す点を練習に組み込みます。計画の作り方はオーディションまでの4週間:ギター練習プランの立て方が参考になります。
- リズムを見直す:テンポが不安定だったと感じたら、メトロノームの使い方の記事を見ながら、ゆっくりのテンポから練習しましょう。
- 人前で演奏する機会をつくる:友人や家族の前で弾いたり、短い動画を撮って見返したりします。
- 募集の選び方を見直す:自分のジャンルや経験に合う募集を選びます。費用や契約の確認はオーディション応募前に確認したい契約と費用の注意点も読んでおきましょう。
行動計画には、期日も入れておきましょう。「いつまでに」「何を」「どのくらい」やるかが決まっていると、気持ちが落ち着かない時期でも動きやすくなります。1週間ごとに見直し、うまくいかなければ、目標を小さくして構いません。
続けて応募すると、疲れてしまうこともあります。間隔をあけて、準備に十分な時間を取るのも大切です。
結果の連絡と、理由の聞き方
不合格の理由を伝えない主催者もあります。問い合わせてよいと書かれている場合に限り、丁寧な文面で一度だけ尋ねましょう。何度も送るのは避けてください。感想やアドバイスをもらえたときは、1回だけの意見を全部受け取るのではなく、何度も出てくる指摘を重視すると、次に生かしやすくなります。
気持ちがつらいときは
落ち込みが長く続いたり、眠れない、食欲がないなど、日常生活に影響が出たりするときは、一人で抱え込まないでください。家族や友人、学校の先生、地域の相談窓口、医療機関などに相談することをおすすめします。音楽とは関係のない時間をつくり、心と体を休めることも、続けるための大事な準備です。
よくある質問
何回くらい挑戦してよいですか。
決まった回数はありません。1回ごとに振り返り、直す点があるあいだは、続ける意味があります。ただし、費用や体力に無理のない範囲で進めてください。
同じ曲で再挑戦してもよいですか。
同じ主催者への再応募が認められるかどうかは、募集要項で確認してください。曲を変える方法もありますが、同じ曲でも演奏を見直せば、印象は変わります。
落ちた理由がまったく分かりません。
3つの視点で見ても分からないときは、練習仲間や先生など、信頼できる人に演奏を聴いてもらいましょう。自分では気づけない癖が見つかることがあります。
やる気が戻らないときはどうすればよいですか。
無理に気持ちを上げようとせず、まずは好きな曲を気楽に弾く時間をつくります。そのうえで、5分だけ練習する、といった小さな目標から再開しましょう。
まとめ
オーディションに落ちたことは、終わりではなく、次の準備の材料です。気持ちを整え、事実を書き出し、直す点を絞って、次の行動を決めましょう。小さな一歩を積み重ねることが、結果的に大きな変化につながります。
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